自分に合ったロングボードの選び方 / ボードの構造・特性を知る | サーフィンマガジン「73NAVI(なみなび)」

自分に合ったロングボードの選び方 / ボードの構造・特性を知る

自分に合ったロングボードの選び方 / ボードの構造・特性を知る

「サーフボードは様々なタイプがあり、どんなロングボードが自分に合うのかよくわからない。」インターネットに掲載の商品(ボード)情報を参考にしたり、直接ショップスタッフなどに相談する方法がありますが、ある程度は自分でもボード選びができるようになるといいですよね。ショップに相談するにしても、まったく知識がない状態で相談するよりも、ある程度 知識を持ち対話しなが相談出来たらショップの方に、より正確で具体的な情報を伝えることが出来るので結果的に的確なアドバイスがもらえるようになります。サーフィンは自然相手のスポーツで波のコンディションも日々変化します。サーフポイントによっても波質の特徴も違います。自分に合ったボード探しは簡単ではありませんが、まずはサーフボードの構造や特性を理解していけば、自分に合った理想のサーフボードのデザインが見えてくることでしょう。

1)ロングボードのタイプ

ロングボードは大きく分けて「クラッシックタイプ」「パフォーマンスタイプ」「オールラウンドタイプ」の3つのタイプに分けることができます。それぞれにどんな特徴があるか知ることはボード選びをする上で重要なポイントと言えます。自分が目指すスタイルや良く行く海(ポイント)の波質をなどを考えながら検討してみると良いだろう。

クラッシックタイプ

Wegener ウェグナーサーフボード 中古ロングボード 9`4 CLASSIC

60年代のスタイルを継承するクラシックスタイルのボードで、幅広でしっかりとした重量にシングルフィンが付いたタイプ。テールも幅広で、レールはエッジが無いソフトレールのものが多くブレークが遅いメローな波に向いています。直線性に優れており安定感もあります。クラッシックタイプといえばノーズライディングです。もちろんロングであればどのタイプのボードでもノーズライディングはできますが、特にこのタイプが得意とするところでしょう。その反面、回転性・操縦性は高くないのでターンは難しくなります。

パフォーマンスタイプ

EDNA エドナサーフボード ロングボード 9`1 Performance

マニューバーを重視したタイプでパワーのある波やブレイクが速い波に向いています。クラッシックボードに比べ幅や厚みが抑えられ、重量も軽めに仕上げており力がある波でもパワーをうまく逃がすことが出来、楽にボード傾けてターンすることが可能。またシングルスタビライザーのサイドフィンによりターン中でも安定感が保たれどんな波質にも対応がしやすく操縦性がアップする。サイドフィンにより反応も良く、少々極端な言い方ですがショートボードのような攻めたターンが可能となる。クラッシックタイプに比べスピード性、安定性は下がるので、小さな波やパワーの無い波では不安定になりやすく乗り難しくなります。

オールラウンドタイプ

ウォルデンサーフボード Walden – Wahine ワヒネ ロングボード 9`0 オールラウンド

クラッシックとパフォーマンスタイプの中間に位置するのがオールラウンドタイプ。双方の良いところを併せ持つデザインでどんな波でも扱いやすいようにデザインされている。パフォーマンスタイプ同様にセンターフィンとサイドフィンのシングルスタビライザーとなっています。オールランドタイプのボードはサイドフィンを外せばシングルフィンとしても使用することも可能であるという見解もあるようですが、基本的にはセンター+サイドフィンで使用するべきだろう。中にはサイドフィンを外しシングルでもパフォーマンスを発揮してくれるモデルもあるだろうが、ボードデザインはそんなに単純ではない…シングルフィンに乗りたければシングルフィン仕様のボードを選ぶことをお勧めします。

2)各部の構造の違い

ロングボード毎の各部位の構造・特徴

ここではボード選びの上で各タイプごとの違いや、構造による特性の見分け方を紹介します。なお、基礎知識的なものはここでは最小限に抑えて説明します。ボードの基礎的な知識・用語が分からない方や読み進めていく中で分からないところがあれば初心者の為のサーフボード基礎知識をご覧ください。

Nose Concave(ノーズコンケーブ)

サーフボードのボトムデザイン「ノーズコンケーブ」

クラッシックタイプのノーズライダーモデルに多いボトムデザインでノーズ付近がスプーンのようなカーブ形状に凹んで(えぐれて)いる。そこを通る水流がボードを持ち上げ浮力が上がり、ノーズへ移動した際にもスピードが落ちにくく安定したノーズライディングが可能となる。近年はオールランドやパフォーマンスタイプにもコンケーブが入っているものも増えてきています。

STRINGER(ストリンガー)

3ストリンガーロングボード

サーフボードの中央に真直ぐに入っている木材でサーフボードの強度を増すために入れられています。サーフボードの強度を保ち、折れやネジレを防ぐ役目があります。その分 重さも重くなります。通常は1本ですが。クラッシックなボードは割合として3ストリンガー(3本)のボードも多い。

Tail design(テールデザイン)

ロングボードのテールデザイン

フリーハンドでササっと書いたので分かりにくいかもしれませんが…(へたくそですみません)。テールデザインでも特徴をある程度判断できます。なお、ボードは各部位のバランスとトータル的なデザインでボードの特徴も変わってくるので、テールだけで判断できるものではありません。

ピンテール

幅が細くシャープで先端が尖っており、ビッグウェーブをターゲットとしたガンボードに採用されています。水の抵抗が少ないのでレールが入れやすくホレた波でもターンしやすい。

ラウンドピンテール

ピンテールと形状が似ているがやや丸びを帯び幅広になっています。特性は似ておりますが幅が広がった分だけ水の抵抗を受けやすく、サイズの小さい波でも回転性が高い。比較的、大きな波やパワーのあるホレた波に向いています。

ラウンドテール

ラウンドピンテールよりやや幅広でゆったりさらに丸びを帯びた形状。一般的に大きな波にはラウンドピンテールが適しており、スクエアテールとの中間がラウンドテールという位置づけとなり、中でも一番扱いやすいテールデザインです。どんな波にでも対応できるためオールランドタイプのボードに多く採用されています。

スクエアテール

他のテールデザインより幅広で左右の角が鋭くとがっている。 テールの浮力が強いのでテイクオフが速いのが特徴。ターンの反応がよく、スカッシュよりキレが増し、スピードも出し易い。 逆に言うと反応が良い分、繊細な操縦性を求められるとも言えます。パワーのある波ではコントロールが難しくなりますので、小波やメローな波向きなと言えます。

スカッシュテール

スクエアテールの角張りにすこし丸みを帯びさせた形状。テールデザインの中でも最もスタンダード。 ラウンドテールと同様にオールラウンドタイプのテールデザインと言って良いでしょう。ラウンドテールと比べるとテールエリアが若干大きくなるため、海面への設置面積が多くドライブ性も高くなる。 シャープな動きが特徴で平均的なビーチブレイクではこのテールデザインを好むサーファーが多いようです。

ダイヤモンドテール

ラウンドピンテールに比べ、やや角ばったデザインになっているので、よりシャープなターンが可能。ラウンドピンテールと、スカッシュテールの良いところを兼ね備えたデザイン。

6つのテールの特徴を知っていれば応用が利く

ロングボードで良く採用される6種類のテールデザインを紹介しましたが、同じテールデザインであってもボードのよって幅や形状が微妙に違っています。例えばスカッシュテールでもテールエンドが幅広であればスクエアの要素も持っていそうだな…とか、逆に狭くなっているならラウンドに近い要素も持っているタイプだな…と、それぞれの特徴を知っていれば、このように応用が利くようになります。

Fin System(フィンシステム)

フィン/ シングルフィン&イングルスタビライザー

ロングボードは大きく分けて「シングルフィン」と「シングルスタビライザーフィン」の2つのタイプがあります。他にもクアッドフィンなどもありますがここではこの2つについて紹介します。

シングルフィン

シングルフィンはスムーズな乗り味でボードを傾けて大きなラインを描くターンに有効。一般的にメローな波に向いています。

シングルスタビライザーフィン

シングルスタビライザーフィンはサイドフィンの効果で動き出しが速くシャープなターンが可能。一般的にパワフルな波に向いています。

Rocker(ロッカー)

ロングボード ノーズ&テール ロッカー

ロッカーとはサーフボードの反りのことです。ノーズ側の反りをNOSE ROCKER(ノーズロッカー)、テール側の反りをTAIL ROCKER(テールロッカー)、ノーズロッカーとテールロッカーの間の平坦な部分をPLANING AREA(プレーニングエリア)と言います。

NOSE ROCKER(ノーズロッカー)

テークオフの際にノーズが海面に刺さるパーリングを防ぐ。またノーズロッカーが強いとノーズ部分が海面と接地面が少なくなる為、回転性が上がりターン性も高くなる。 反面、水の抵抗が増しスピードは低下してしまう。

TAIL ROCKER(テールロッカー)

テールの反りがターンの時のコントロール性・回転性に影響します。基本的にロッカーが強ければ回転性が上がります。 反面、ターン時の加速性は低下します。テールロッカーが弱いボードはこの逆の性質となります。

PLANING AREA(プレーニングエリア)

ノーズロッカー、テールロッカーでも説明していますが、ロッカーが弱いとこのプレーニングエリアが 結果的に広くなる為、スピード性が上がります。(安定感も良くなります)逆に強いとプレーニングエリアが狭くなり 回転性は上がります。ロッカーを考える際には、この2つのロッカーのバランスで考える必要があります。 近年のパフォーマンス、オールランドタイプはノーズロッカーを弱めにし、テールロッカーをミドルぎみに強めるシェイプも多い様に感じます。エントリーロッカー(ノーズ側)を 弱めることでパドルにも影響する胸部周辺に安定感がうまれ、パドルを楽にしテイクオフを容易にしながらも、 その分テールロッカーを強めターンのコントロール性、回転性を上げるような仕様のボードです。

センターフィンの位置(フィンセッティング)

ロングボードのセンターフィンの設置位置

センターフィンを脱着できるボックスタイプのもは、単にフィンの取り付け取り外しができるだけでなく、フィンの位置を前後に移動することが可能です。フィンをボックスの真ん中にした時がニュートラルな反応をするようにつくられています。フィンを前に付けると操縦性が良くなりターンがしやすくなります。反対にフィンを後ろに付けると直進安定性があがり大きな弧を描くようなターンがしやすくなります。まずはニュートラルなセッティングで使用し、波のコンディションやサーフィンスタイルに応じ、前後にずらし調整されると良いでしょう。これだけでも結構、乗り味は変わります。なお、この内容は「シングルフィン」「シングルスタビライザーのセンターフィン」のどちらにも共通する要素となります。

3)どんなスタイルのサーフィンを目指したいか?

ロングボードの特徴が少し分かってきたでしょうか?

あなたはどんなスタイルのサーフィンを目指したいですか?

あこがれているサーファー、目標にしている身近なサーファーなどいればイメージも付きやすいかと思います。

普段サーフィンをする(これから始める方なら…通うであろう)ポイントはどんな波なのか?どんなスタイルのサーファーが多いか?リサーチしたり体験しておくと良いでしょう。

クラッシックスタイル

ロングボードのスタイルには大きくわけて2つのスタイルがあります。1つはメローな波でノーズライディングやトリムサーフィンを想定した「クラッシックスタイル」。ノーズライディングは名前から何となくわかると思いますが、ノーズ側に移動して乗るテクニックでノーズの先端に片足をかけるハングファイブや両足をかけるて乗るハングテンなどの技がります。トリムサーフィンって何だよ..て感じですよね。トリム=トリミング は波がブレイクしていく速さにボードのスピードをコントロールしてあげること。もう少し具体的に言えば波のパワーが小さいときなどに加速を目的としてレールワークでアップスとダウンを小刻みに行う技術で、ボードのレールを上手く使い波のいいところをキープしつつコントロールし波のパワーを活かしながら次の技につなげていきます。シングルフィンのクラッシックタイプのロングボードが得意とするスタイルです。上半身をリラックスさせながらクロスステップで軽快にノーズライディングを決める姿はロングボードの醍醐味ではないでしょうか。

実際にクラッシックスタイルのライディングか見たい方はこちらの動画をご覧ください。ロングボード界でこの人を知らない人はいないと言ってもいいでしょう…サーフィン界を代表するサーファー Joel Tudor(ジョエル・チューダー)。クラッシックボードはもちろん、パフォーマンス系、ミニボードなどどれをとっても、美しいライディングは見とれてしまいます。お手本となるサーファーです。
Joel Tudor and Kelis Kaleopaa Win 2020 Noosa Longboard Open


パフォーマンス系スタイル

もう一つは、パワフルな波で回転性、ターンを特に重視した「パフォーマンス系スタイル」。後ろ足にだけに体重を乗せて行うピボットターンではなく、体全体を使って体重をボードに伝え、レールを深く波に食い込ませる力強いドライブターンが魅力の一つでしょう。シングルスタビライザーのパフォーマンスタイプのロングボードが得意とするスタイルで、サイドフィンによりショートボードのような攻めたターンが可能。クラッシックボードには敵わないがノーズライディングももちろん可能です。オールラウンドタイプも同じシングルスタビライザーが基本となるので、どちらかと言えばこちらのタイプに近い乗り味で、パフォーマンスタイプをより幅広いに波に対応させたボードがオールランドタイプと考えて良いでしょう。


ホームポイントにあったボード選び

サーフポイントの波質が合っているかも重要です。自分の求めるスタイルがあっても、ボードによっては極端に合わない波質のポイントもあります。その場合、上手に乗りこなすことも難しくなります。自分のホームポイントとなる波質の傾向も考慮しつつボード選びをする必要もあると考えます。また、サーフポイントの選択肢があるのであれば、自分のスタイルやレベルに合ったポイント選びをすると良いでしょう。

波はその日の天候や波で海の表情も大きく変わります。出来ることならタイプの異なるボードを複数枚持ちコンディションにあわせて使い分けるのもおススメです。小波やメローな波のコンディションの時はクラッシックタイプのボードで楽しみ、サイズアップしパワーのある波の時はパフォーマンスタイプのボードで楽しむ。それぞれ乗り方も変わるのでサーフィンの幅が広がります。そうは言っても何枚もボードを所持できないのであれば、オールラウンドタイプのボードを選ぶのも一つの選択肢です。
ただ「1枚しか持てない=オールラウンド」というつもりもありません。それぞれの目指すスタイルがあると思いますので、そこは各々の方向性やこだわりの中で選択していけば良いと考えます。

4)最後に

いかがでしょうか?「自分に合ったロングボードの選び方」の参考になったでしょうか? ボードの構造・特性を知ること。自分の目指すサーフィンのスタイルを考える。それが結果的に自分に合ったボードが選びになるはずです。

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