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ウェットスーツ選びで、このようなお悩みをお持ちなら、あなたの役に立ちます。
- 種類、ブランド、グレードなど選択肢が多すぎて何を選んでいいか分からない。
- ウェットスーツの種類・タイプを知りたい。
- ウェットスーツ選びのポイント・注意点が知りたい。
- 自分の用途に合った最適なウェットスーツが知りたい。
- ウェットスーツ選びで失敗したくない。
筆者は、2008年からサーフショップオーナーとして新品・中古サーフ用品を2500点以上取り扱ってきた経験をもとにサーフアイテムやハウツーなどのサーフィンに特化したウェブマガジンを運営しています。
失敗しない!最適なウェットスーツの選び方
サーフィンを始めたい…サーフィン初心者など…これからサーフ用品をそろえる方にとって、ウェットスーツの知識はもちろん、選び方、良し悪しなどの多くの情報を調べるのは面倒で時間もかかり大変な作業です。
予算の範囲で、どのウェットスーツを選べば良いか?
失敗しないために、どんな点に注意しなければならないか?
あなたの不安や悩みを解消し快適にサーフィンを楽しむためのウェットスーツ選びのポイントをまとめました。
これを読めば、快適にサーフィンを楽しむためのウェットスーツの選び方が理解でき、自分の環境・スタイルに合わせた最適なウェットスーツ選びが容易にできるようになることでしょう。
さらに、
「出費を抑えながらも限られた予算内で、最低限必要なウェットスーツを揃えたい」とお考えのあなたにも役立つ内容となっています。
ウェットスーツ選びのポイント
ウェットスーツは、「自分の体に合ったサイズ選び」と「サーフィン環境、季節などの用途に合わせたウェットスーツ選び」が重要です。
ウェットスーツ選びでポイントとなる「サイズ」「素材」「縫製・カッティング」「エントリーシステム」や「ウェットスーツの種類」について詳しく紹介します。
自分の身体に合った「サイズ」選び
ウェットスーツ選びで一番重要なのはサイジング。
ウェットスーツはサイズが合っていないと、どんなに高機能なハイエンドモデルでも、本来の機能、保温性が最大限に発揮できません。
サイズが合わない…「キツくて苦しい」「ゆるくて海水が入ってくる」
サイズが小さいと「キツくて苦しい」だけでなく伸縮性を十分に発揮できず運動性も損なわれます。ウェットスーツにも負担をかけてしまいます。
サイズが大きい場合には、海水が侵入しやすくなるため本来の保温性が発揮できません。動き難さやウェット擦れを引き起こす原因にもなります。
ウェットスーツが本来持つ機能性は、サイズが合っていることが大前提であることを覚えておきたい。
「既成サイズ」「オーダー」の2つの選択肢がある
既成サイズは、一般的には、S / M / ML / L / LL / XLなど標準的な体系に合わせて作られており、各ブランドとも一定のサイズバリエーションが準備されています。
既成サイズのメリットは、「価格の安さ」「すぐに手に入る」こと。
なお、ブランド(メーカー)によって、同じMでもサイズが違いますので自分の体系に合いそうなブランドを探すのも一つの方法です。運良く、自分の体型に近いサイズ感のブランドを見つけることができたなら、オーダーよりも安価に、スピーディにウェットスーツを手に入れることができます。
高い防寒性を必要としない夏用や比較的水温の高い初夏、秋口で着用するタイプのウェットスーツは、多少浸水があっても、冬のように海水が冷たくて辛く不快になったりするようなことがないため、既製品をチョイスする人も多いようです。
既製サイズの場合、日本製ウェットスーツは、日本人の体型にあわせたサイズ仕様になっていますので、日本人の方なら自分の体型に近いサイズ感のものを探しやすい。
また、高い品質・技術を持つ日本製ウェットスーツは、国内はもちろん、海外でも人気が高くオススメです。
既製サイズのウェットスーツの場合、各メーカーから以下のようなサイズ表が公開されており、販売サイトの商品ページにもこれらの情報は掲載されています。
1)「身長・体重」をチェック
各メーカーで既成サイズの許容範囲は若干異なるかもしれませんが、一般的に表の数値より「身長 ± 3cm / 体重 ± 3kg」程度と考えておけば良いでしょう。
許容範囲であれば、さらに詳細なサイズをチェックします。
この時点で身長・体重が合いそうなものがなくても、諦めるのは早いです。
ブランドによりサイズが異なりますので、自分に合いそうなサイズ感のブランドがないか探してみてください。
それでも合いそうなウェットスーツがない場合は、オーダーという選択肢を検討します。
2)各部位のサイズをチェック
全ての寸法を計測し比較できればベストですが、大変です。
そこで、最低限チェックしておきたいのが「首囲、胸囲、腹囲、尻囲、股下」、計測するためのメジャーを準備し、自分の身体と合うか比較します。
なお、体型には個人差があるので、例えば下半身が、がっしりしていて脚が極端に太い、あるいはその逆の場合(腕周りも同様)は、チェックしておくことをお勧めします。
誤差範囲に収まりそうなら、サイズが合う可能性は高いです。
サイズが合わないと、こんな症状がでますので、サイズチェックはしっかり行いましょう。
ウェットスーツは一定の伸縮性があるので、多少の誤差くらいであれば身体にフィットしてしてくれますが、一定以上の差が生じると以下のような症状が現れ、サーフィン時の快適さが損なわれます。
首の根元あたりが窮屈・息苦しい感じがする。(原因:サイズが小さい)
着用時に胴体部や足部などに大きなシワや空洞ができやすい・肌擦れしやすい。(原因:サイズが大きい)
海水がウェットスーツの中に溜まりやすい。(原因:サイズが大きい)
身長に対しウェットスーツの丈が許容範囲より短く合わないのに無理やり着用すると、仮に着用できたとしても、首の根本周辺に窮屈感や息苦しさを感じてしまいます。これは、ウェットスーツが上下に引っ張られ首を絞めつけてしまうことが原因です。苦しくて長時間のサーフィンに耐えられないのでお勧めしません。
逆に身長に対しウェットスーツの丈が、許容範囲より長い場合、脚、腕、ボディのどこかに大きなシワとなって現れ、動きにくくなったり、肌擦れの原因にもなります。またその隙間に海水が溜まりやすくなります。
これは、生地が厚く、身体をおおう面積が多ければ多いほどその影響をうけますので、フルスーツやセミドライのウェットスーツの場合は、特に注意したいところ。
全体的に圧迫感を感じ窮屈。(原因:サイズが小さい)
窮屈で入らない。(原因:サイズが小さい)
着用時にシワになりやすい、スレやすい。(原因:サイズが大きい)
首、袖、足首から海水が大量に入ってくる・入りやすい、中に溜まりやすい。(原因:サイズが大きい)
体重が合わない場合も、身長が合わない場合と同じような症状が現れます。
また、小さすぎると窮屈だったり入らないわけですが、大きすぎると、着用できても首、袖、足首から海水が大量に入ってきます。そして動きにくくなります。海水が冷たい時期のフルスーツやセミドライでこの症状があるとツラいので、お勧めしません。
オーダーには、「フルオーダー」、「セミオーダー(カスタムオーダー)」の2種類があります。
- フルオーダー:体のおよそ30箇所を採寸して作る。
- セミオーダー:採寸したデータを基に既製品の数か所を調整して作る。
セミオーダーの場合、例えば「既製品のサイズからカスタム可能な6箇所だけを+-4cmの範囲でオーダーできる」と言うような感じでオーダーが可能。既製品でほぼ合いそうだけど、すこし補正すればピッタリだと思われる方なら、フルオーダーより価格的にお得ですが、あまり融通が効かないので、多少割高でもフルオーダーがおススメ。
特に冬用のセミドライスーツは、このサイジングが保温性、運動性に大きく影響しますのでフルオーダーをオススメしたい。
生地(マテリアル)の種類・構造ついて
ウェットスーツは、ネオプレンゴム(クロロプレンゴム)の素材から作られており、この表地に布地が張ってあるタイプを「ジャージ」、ゴム地が張ってあるタイプを「スキン」といいます。
ネオプレンゴム(クロロプレンゴム)は、中に多くの気泡を含み保温性、浮力の効果があり、この厚みを変えることで保温性を調整します。
例えば、冬に着用する5/3mmフルスーツ(セミドライ )と言われているウェットスーツは、一般的に保温性を高めたいボディが5mm厚の生地、動きやすさを必要とする腕が3mm厚の生地が使われているということです。
生地が厚くなると保温性は上がりますが、その分、生地が重くなり、伸縮性も下がり、運動性にはデメリットとなります。
近年は、マテリアル(生地)の品質が向上し、より軽量化され高い伸縮性を持つウェットスーツに進化しているので、デメリットも小さくなっています。
ジャージ(表地)
表面に布地が張ってあるタイプで、ほとんどのウェットスーツに使用されています。
伸縮性、耐久性に優れる。
表面に貼ってある布地が水や空気を通しやすい素材のため、濡れやすく、耐風性に弱くスキン素材よりも若干保温性で劣る。特に冷たい風が強く吹く寒い冬の波待ちで、その差を体感します。
スキン(表地)
スキン素材は、ラバーとも言われており、表面がゴム地で水はけがよいため防水性に優れ、耐風性もあり、高い防寒性を持つ。
ジャージ素材と比べると伸縮性、耐久性がやや劣る。
また、最近のスキン生地は軽くて伸縮性が向上しストレスも少なく、運動性も高い。反面、非常にソフトなスキンを使用したモデルも増えているため、サーフィン時にサーフボードと擦れるなどで摩耗しやすく、着脱の際など爪の引っかき等で生地が切れやすくなっているので注意が必要です。着脱の際はくれぐれも爪を立てないように着替えましょう。
裏地:
裏地に使用する素材は、肌に直接触れるため、保温性や快適さに大きく影響する。さらに運動性に影響する軽量化、伸縮性の向上など、各ブランドとも研究開発に力を入れる部分でもあります。
特にセミドライなど防寒性を必要とするウェットスーツでは、コスパモデルとハイエンドモデルで使われる裏起毛生地に差が出やすいのでチェックしておきたい。
冬に極寒地域で使用される場合、価格は上がりますが、この裏地を、より保温性の高い素材にすることで防寒性が向上し快適にサーフィンを楽しむことができます。
逆に、冬でも比較的温かい地域や、あまり寒い時期に入らないという場合は、必要以上に高いモデルを選ぶ必要はなく、一定の保温性があるコスパモデルでも十分です。防寒性は落ちるものの、価格を抑えられたコスパモデルの裏生地は軽量で運動性が高かいというメリットもあったりします。(使用されている生地にもよりますが…)例えばこちらで紹介しているセミドライスーツも、これに該当します。
縫製・カッティング仕様
手間ひまの掛かる細部の仕上がりは、ハイエンドモデルと差が出やすい部分です。
細部に関する仕様なので、注目されにくい内容ですが、知っていると細部へのこだわりや手間ひまのかけ方、違いが理解でき、ウェットスーツ選びに役立てることができます。
また、高品質なウェットスーツは、熟練のクラフトマンなどによる、耐久性を考えたカッティングや縫製などが行われているため、耐久性にも高い。海外等で生産された格安のウェットスーツ等は、クラフトマンの知識・経験値が問われる技術面で耐久性に少なからず影響があると考えます。
縫製、シームテープ
ウェットスーツは、カットされた各部位のパーツとパーツをウェットボンドで貼り合わせる「貼り(ハリ)の工程」で圧着し形成された後、「縫製」されます。さらに必要に応じシームテープで補強されます。
縫製は、防水性を保つために専用のミシンで「すくい縫い」というミシンの針を生地の裏まで貫通させずに表面をすくって縫う方法で縫製されます。
一般的に、ジャージ生地同士の接合部は表側から縫製し仕上げられ、
スキン生地同士、あるいはスキンとジャージ生地の接合部は、裏側で縫製されます。
さらに、 ストレスの掛かる股下、肩、脇周辺、縫い合わせが密集し交わる部分は裏地側からシームテープで補強されます。
シームテープの役目は、貼り・縫製で形成された接合部の補強であり、これによりストレスのかかりやすい部分の接着面の剥がれを遅らせることにつながります。
ただし、シームテープによる補強は、すべてのウェットスーツで施されているわけではありません。フルスーツやセミドライなど、海水の冷たい時期に使用するウェットスーツやハイエンドモデルで補強されていることが多いようです。
貼り・縫製に関しては、基本的に同じブランドであればモデルごとの優劣の違いはありませんが、シームテープによる補強はコスパモデルやハイパフォーマンスモデルで仕上げに差が出るところでもあります。
生地同士のつなぎ目は専用のボンドで接着されていますが、「ウェットスーツの寿命=接着面の寿命」と言われており、使用頻度にもよりますがこの寿命が2〜3年程度。
う〜ん、短い。
長くサーフィンをしている方なら経験していると思いますが、ウェットスーツは使い込んでいくと、ストレスのかかりやすい股下や肩・脇などから”じわーっ”と浸水してきます。この症状が出始めたら接合部の接着面の劣化・剥がれの可能性が高く、寿命が近づいているサインです。
状態によっては市販のウェットボンドでリペアも可能ですが、目視では確認できない隙間ができ始めているので、完全に浸水を止めることは難しくなります。
素材(マテリアル)や技術により、伸縮性、保温性、機能性、耐久性などが飛躍的に向上していますが、ボンドの耐久性が追いついていない…。このため、貼り・縫製の丁寧な仕上げが要求され、シームテープによる補強などが行われています。
なお、シームテープは補強のためのものであり、浸水を遮断する防水効果はありません。
もちろん補強しないよりは、ストレスを抑えることができるので、接着面の剥がれを遅らせることにつながり一定の効果はありますが、ストレスや経年により接合部の接着面が剥がれたり、隙間ができてくるとシームテープの有無に関係なく浸水するようになります。
※ ちなみに、浸水を遮断する防水シームテープもあるようですが、ウェットスーツ用が市販で販売されているのか?防水効果はどの程度あるかは不明ですので、一般的には補強用という認識で良いでしょう。
ストレスのかかる部分のカッティングを排除
カッティング技術も進化しています。
例えば、こちらの画像をご覧ください。
一般的に腕とボディのパーツが繋ぎ合わさる接合部分では、複数のパーツを繋ぎ合わせ縫製されています。
上の写真画像の右と左のウェットスーツで比較すると、右側は腕と胴体の間に生地を一つ追加し、可動域を広くしています。これにより腕を動かしやすくすることはもちろん、可動域が広くなることで、縫製部のストレス軽減にも貢献するため、縫製部の耐久性向上にもつながります。
さらに下の写真画像では、
バドリングのストレスを大幅に軽減するために、脇から腕にかけてカッティングが大幅に排除された仕様となっています。
このウェットスーツはスキン素材が使われている冬用のセミドライスーツですが、ストレスが掛かる脇から腕にかけて伸縮性、耐久性に優れるジャージ素材が使用されており、広範囲にわたりカッティングが入っておらず、生地同士のつなぎ目が排除されているのがお分かりかと思います。
この仕様は、バドリングなどの運動性向上が目的ではあり、パドリング時のストレスが格段に改善されますが、他にもメリットがあります。
ストレスのかかりやすい脇、腕、股下周辺のパーツとパーツの接合部は、接着面の劣化による浸水が起こりやすい部分ですが、この周辺から接合部を減らす、あるいは排除することにもつながるので、結果的に浸水リスクが減少しウェットスーツの寿命を延ばすことになります。
このようなストレスがかかりやすい「脇から腕」「股下から脚」周辺の接合部を大幅に排除した仕様の場合、生地ロスは避けられず大幅なコストUPとなるため、これを採用しているブランドでもハイエンドモデルのみで採用されることが多く、コスパモデルと差が出やすい部分の一つです。
これは一例であり、各ブランドで着心地やパフォーマンス性を改善するための様々な技術が取り入れられていますので、チェックしておくと各ブランドのこだわりを理解できたり、ウェットスーツの奥深さを知ることにつながります。
袖口・足首の仕上げ(装備)
ウェットスーツは「袖口」「足首」「首周り」が、水が侵入しやす3大箇所と言われており、波に巻かれるなど、勢いのある波を受けた場合などに、袖口・足首は、まくれて水が入いりやすい部分。
基本はウェットスーツのサイズが合っていることが最も重要ですが、フィット感を高める仕上げ、コスト重視など、それぞれのタイプ、特徴を覚えておきたい。
この部分の仕様は、各ブランドによりオプションで選べるようになっていたり、ハイエンドモデルと差がでることろですが、中にはセミドライ・3mmフルスーツにリブ加工や二重構造の仕上げを、ほとんどのモデルに標準装備しているブランドもあります。
切りっぱなしの「シングル」は、一番 低コストの仕上げになり、コスパモデル等に採用されるべーシックな仕様。
フィット感は強くないので一番浸水しやすい構造だが、着脱しやすいというメリットはあります。
浸水防止効果の高い「リブ」や「2重構造」のほうが、もちろんベターですが、それよりも、まず自分の体にフィットするサイジングが重要で、これができていればシングルでも問題はない。
フィット感が高く、縫い目が表に出ないため防水性に優れるリブ加工。
フルスーツやセミドライの上位モデルやオプションとして採用されることが多い。
コスパモデルでも稀に浸水防止効果の高い「リブ」や「2重構造」のモデルもあります。
締め付けを強くし、浸水を防ぐ。ブーツやグローブを挟み込むことでさらに防水性がアップする「2重構造」。
セミドライの上位モデルやオプションとして採用されることが多い。
コスパモデルでも稀に浸水防止効果の高い「リブ」や「2重構造」のモデルもあります。
袖口を折り返しで縫い合わせる「折り返し」。
フィット感高め、袖口の伸びを防ぐ。
半袖のシーガル、スプリングなどはこの仕上げが一般的。
着用するウェットスーツの時期から、防水性よりも耐久性を重視した仕上げになっていますので、防水性は期待できませんが、着用する時期から…あまり気にしなくて良いでしょう。
エントリーシステムの種類と特徴
ウェットスーツを選ぶ上で、ポイントの一つとなるのが、このエントリーシステム。
各ブランドから様々なエントリーシステムが販売されておりますが、既製品の多くのモデルで採用されている代表的な4つのシステムが、「バックジップ」「ノンジップ(ベルクローザー)」「チェストジップ」「ロングチェストジップ」。
それぞれの特徴を簡単に簡潔にまとめてみました。
バックジップ:シンプル構造で着脱のしやすさはNo1、耐久性の高く、マテリアルの伸縮性向上で従来のデメリットが半減し近年再び人気となっている。
ノンジップ:少々着脱しにくいが、首、肩、背中周辺のストレスが少なく動きやすい。ファスナーが無く開閉が容易でファスナー破損の心配がない。
チェストジップ:ノンジップのベルクロがファスナーになったタイプ。ファスナー以外はノンジップと同様。
ロングチェストジップ:首、背中、肩周りの窮屈感・ストレスが少なく動きやすい。ノンジップやチェストジップに比べ開口部が広く着脱しやすく、防水性が高いことから近年人気。
それぞれエントリーシステムには長所・短所があるので、購入する全てのウェットスーツを同じエントリーシステムで統一し選ぶのではなく、
冬に着用するセミドライなら…〇〇タイプ。
3mmフルスーツなら〇〇タイプ…
シーガル、フルスーツなら〇〇タイプもありだな…
シーガル、フルスーツならこれもありだな…というような思考で検討することで、失敗のリスクや予算を最小限に抑え、目的にあった上手なウェットスーツ選びにつながります。
バックジップ
背中にファスナーが付いたオーソドックスなエントリーシステムで、開口部が広く着脱が容易。
- 着脱しやすい。
- ネック周りが耐久性に優れている。
なんと言っても着脱がしやすい、特に生地が厚く着脱しにくいセミドライで、この恩恵を感じます。
着やすさ、脱ぎやすさでは、ここで紹介する4つの中では一番。着脱重視派ならバックジップ一択です。
開口部が広く、着脱時に首回りなどの開口部周辺の生地にストレスがかからない設計となっているため、耐久性にも優れています。
首回りをベルクロで留めるタイプなので、首周りのホールド感をその時々で微調整できる。
- 首周り、上半身にストレスが掛かる。
- ファスナーから海水が侵入しやすい。
バックジップは、首周りをベルクロで留めるため、生地が重なる上にファスナーもあるので背中周りが少々突っ張る感じがあるなど、ストレスを感じやすい。
近年はマテリアルの進化で伸縮性も向上しストレスを感じにくくなっていることもあり、再び人気が上がってきている。
一部を除き、ほとんどのウェットスーツに採用されているファスナーは防水ファスナーではなく、スタンダードなファスナーが装備されているため防水効果は期待できず、バックジップの構造上ファスナーから勢いよく浸水します。
冬や冬前後の海水の冷たい春先、秋の時期の背中、首周りからの浸水はつらいため、この時期に使用するウェットスーツ選びでチェックしておきたいのが、「インナー部のバリアー装備」または「防水ファスナー装備」の有無です。
バックジップのファスナーからの浸水対策として、「インナーバリアー」「ネックバリアー」を装備したものがあります。
水が侵入しやす3大箇所の中で、最も重要視したいのが「首周り」。心臓から近いため、海水の冷たさを感じやすく、寒さ、体の冷えの不快感、辛さを感じやすいので、できるだけ浸水しにくい装備にしておきたい。
インナーバリアー:ファスナーからの浸水を防ぐためのもので、3mmや4mmのフルスーツで装備される場合があります。比較的水温が温かい春秋の時期などに向いている装備です。
ネックバリアー:5mmフルスーツ(セミドライ)や、ハイエンドモデルの3mmフルスーツなどに装備されることが多い、オーダー品ならオプションになっている場合もあります。首、首周りを一帯を覆ってくれるため、インナーバリアーに比べ、さらにファスナーからの浸水を抑えてくれる上、首周りが2重のネックで保護できることになりため、首からの浸水をより抑えてくれます。冬の海水の冷たい時期の装備としてオススメ。
比較的寒い時期にも使用する既製品の3mmフルスーツは、ネックバリアーが付いていないものがほとんどですが、もし装備されているモデルがあれば浸水しにくいのでオススメです。
バリアーなし:夏や春秋に着用する既製モデルの「スプリング、シーガル、2mmまたは3mmフルスーツ」のほとんどがこの仕様となります。夏や海水が温かい時期に着用するウェットスーツの場合、ファスナーから海水が浸水しても不快になることはないのでバリアーなしで十分ですが、比較的、寒い時期にも使用する春、秋向けの3mmフルスーツの場合、バリアー装備されていないバックジップは、あまりオススメしません。
ネックバリアーが装備されているモデルは浸水しにくい
日本製のバックジップタイプのセミドライでは、既成品のモデルでも、スタンダードファスナーの場合、浸水対策としてネックバリアーが装備されているのが多く、ファスナーからの浸水をしっかり防いでくれるためオススメです。
ネックバリアーが装備されていないセミドライでは、防水ファスナーが装備されているのが一般的ですが、激安なセミドライでは、装備されていない可能性もあるので、防水ファスナーの有無は確認はしておきたい。
セミドライに限っては、一般的に「ネックバリアー」か「防水ファスナー」の2択から選ぶことになりますが…
では「ネックバリアー」か「防水ファスナー」なら、どちらがいい?
好みで選んで良し。
それぞれのメリットを表現するならこんな感じ。
背中のファスナーだけでなく首周りからの浸水防止効果もある「ネックバリアー」
ファスナーからの浸水をしっかり防ぐ「防水ファスナー」バリアー装備がないシンプル構造だから着脱しやすい。
ちなみに、筆者は「ネックバリアー」派。
ノンジップ(ベルクローザー)
フラップを被りベルクローザー(マジックテープ)で止めるエントリーシステム。
首部からエントリーし、頭からフラップを被り胸部分のベルクロで止めます。
- 首回り、上半身のストレスが少なく動きやすい。
- ファスナーの開け閉めが不要。
- ファスナー破損の心配がない。
背中にファスナーがなく、首回りもすっきりしているので首、肩、背中周辺のストレスが少なく動きやすい。
ベルクロで止めるタイプなので、ファスナーが無く開閉が容易、ファスナー破損の心配もない。
- バックジップより着脱がしにくい。
- 両肩から水の侵入の可能性がある。
- 首回りのサイズが合っていないと浸水する。
- バックジップより耐久性は劣る。
- ベルクロ(マジックテープ)が、生地に張り付きやすく毛羽立ちの原因となりやすい。
バックジップに比べ着脱がしにくい。
特に脱ぐのは、慣れないと脱ぎにくく最初はやや苦労するかも!?。
波の衝撃を受けた際など、両肩から浸水することもある。また、首周りもバックジップのように微調整ができないので、サイズが合わず、ゆるい場合は浸水しやすくなります。
着脱の際にネック周りにストレスが掛かりやすいデザインのため開口部のネック周りは、バックジップに比べ耐久性は劣ります。
ベルクロ(マジックテープ)が、生地に張り付きやすく毛羽立ち・毛玉の原因となりやすく、見た目も悪くなってしまうので、着用していない場合はベルクロを解放したままでなく閉めておくことが好ましい。
浸水のリスクを減らしたいならインナーネック付きのもの、オーダーならオプションで追加しておくと安心です。ただし、夏や海水が温かい時期に着用するスプリングやシーガルタイプのウェットスーツの場合、浸水しても不快に感じることは少ないので、インナーネックなしで十分です。
特にセミドライの場合には、既製品のモデルでもインナーネックを装備したダブルインナーネックの仕様になっているものがオススメ、浸水のリスクは少なくなります。なお、3mmフルスーツのバリューモデルなどでは、インナーネックが装備されていないものも少なくありません。3mmフルスーツも、春秋の比較的の海水が冷たい時期にも着用するので、できればインナーネックが付いているとベター。
チェストジップ
フラップを被りフロントファスナーで止めるエントリーシステム。
ノンジップと基本は同じで、ベルクロがファスナーになっているタイプ。首部からエントリーし、頭からフラップを被り胸部分のファスナーで止めます。
- 首回り、上半身のストレスが少なく動きやすい。
- ベルクロによる生地の毛羽立ちがない。
背中にファスナーがなく、首回りもすっきりしているので首、肩、背中周辺のストレスが少なく動きやすい。
ノンジップのデメリットに記載の、ベルクロ(マジックテープ)による毛羽立ち・毛玉の心配がない。
- バックジップより着脱がしにくい。
- 両肩から水の侵入の可能性がある。
- 首回りのサイズが合っていないと浸水する。
- バックジップより耐久性は劣る。
- ファスナー破損の心配がある。
ノンジップとほとんど同じ内容なので説明は割愛しますが、一点だけ…
チェストジップのファスナー破損のリスクがあります。壊れると開閉ができなくなったり、しっかりロックできないなどの不具合がおこる心配があります。
ロングチェストジップ
両腕から胸部にかけて長めのフロントファスナーを取り付けているタイプ。
近年人気になっているエントリーシステムです。
- 背中側の伸縮性が良くストレスが少ない。
- 首、肩まわりの窮屈感が少ない。
- ノンジップやチェストジップに比べ開口部が広く着脱しやすい。
- 防水性の高いハイネックタイプもある。
背中にファスナーがないため背中側の伸縮性が良くストレスが少ないことから、パドリングがスムーズで楽。
構造上、首、背中、肩周りに余裕が生まれるため、窮屈感が少ない。
ノンジップやチェストジップに比べ、開口部が広く着脱しやすい。
限定的なモデル、オーダー時のオプションになりますが、ネックエントリーシステムで採用されているネック部分を折り返して着用するハイネックタイプがある。これにより非常に高い防水性が得られます。
- ファスナーから浸水しやすい。
- 首のサイズが合っていないと、首から浸水の心配がある。
- 胸部の伸縮性はやや劣る。
- 柔軟性あるファスナーが使われており壊れるリスクや耐久性面でやや劣る。
ファスナーが防水ファスナーではないので浸水する。ただし、内部への浸水を防ぐ水抜きからスーツの外へ排出してくれる構造になっていますので浸水を最小限に抑えることができます。
胸側に平行してファスナーが配置されるため、胸部の伸縮性に制約があり(やや劣り)肩から上腕部の動きが多少妨げられてしまう。とはいえ、軽くて伸縮性がある柔らかいファスナーを使用しているため影響は少ない。
着脱しやすい広い開口を確保できることで人気となっているロングチェストジップのファスナーは、構造上、前方に長く配置されているため、肩甲骨の動きを妨げないようにストレッチ性のあるフレックスコイルファスナーが使用されているのが一般的です。柔軟性あるフレックスコイルファスナーですが、壊れるリスクや耐久性面でやや劣る。
ファスナーが防水ファスナーではないので浸水する。なお、内部への浸水を防ぐ水抜きからスーツの外へ排出してくれる構造になっていますので浸水を最小限に抑えることができますが、インナーネックがあるダブルネックタイプが理想です。
また、ロングチェストジップでは首からの浸水リスクがあるため、特に海水の冷たい冬に着用するセミドライの場合には、既製品のモデルでもインナーネックを装備したダブルインナーネックの仕様になっているものがオススメ、浸水のリスクは少なくなります。3mmフルスーツも、春秋の比較的の海水が冷たい時期にも着用するので、できればインナーネックが付いているとベター。
最初にそろえるウェットスーツはどれがいい?
ウェットスーツの選びのポイント、エントリーシステムについて紹介してきましたが、最初から全てそろえるのは予算的にも大変な上、最初から一気に揃えるのは、サイズ選びやエントリーシステムの好みなど、さまざまな面からリスクが大き過ぎます。
まずは一着購入して実際にサーフィンで着用し、サイズ感、使用感の良し悪しなど確かめ、次に購入するウェットスーツ選びに活かしていくことが、最終的に失敗しないウェットスーツ選びにつながるはずです。
なお、夏の暑い時だけしかサーフィンしない…海パンや水着にタッパーやラッシュガードで十分という方は、そもそも、この記事を読む必要もないはずなので省略します。
サーフィンを始めるなら春〜秋がオススメ
これからサーフィンを始める方や、
できるだけ出費を抑え、最低限必要なウェットスーツを揃えたいという方は、
春〜秋(寒い地域では初夏〜秋口)にサーフィンを始めることをオススメします。
この時期に着用する、ウェットスーツは価格的にも安い。
サイズ面でも着用できさえすれば、多少海水が入ろうが大した支障もない。
万が一、ウェットスーツ選びに失敗したとしてもリスクは最小限に抑えることができます。
最低限必要なウェットスーツを揃えたい
例えば、関東でサーフィンをする方の場合、
これからサーフィンを始める方や、始めたばかりの方の場合、夏や初夏・秋口の比較的水温の高いシーズンを利用することで、予算を抑えることができます。
まずは、低予算で失敗のリスクが低い「スプリング、ロングスプリング、シーガル」あたりを手に入れ、比較的温かい時期にサーフィンを始めるのがオススメです!
6月〜9月(もう少し頑張って5月〜10月付近)までの期間であれば、シーガルまたはロングスプリングが一着あればサーフィンを楽しめます。
7月〜9月までなら、スプリング一着でもOKです。
二着目に、4〜5月 10〜11月に着用できる3mmフルスーツを検討するといいでしょう。
気温、海水も少し下がる時期に着用する3mmフルスーツは、夏前後に着用するウェットスーツに比べ、前述の自分の身体に合った「サイズ」選び、そしてエントリーシステムの種類と特徴を理解しておくことが特に大事です。
一着目にオススメしないウェットスーツは?
冬に着用するセミドライスーツを一着目として選ぶのは、あまりオススメできません。
理由は、サイジング。
セミドライスーツは、特に自分の身体に合った「サイズ」選びが重要です。
サーフショップで対面でアドバイスを受けながらオーダーしたり、既成サイズの試着したりできのであればいいのですが、ネットで既成サイズを購入したり、オーダーする場合は、ウェットスーツのサイジングで失敗する可能性が高くなり、サイズが合わないと不都合が出やすいので注意したい。
失敗しないでウェットスーツを手に入れる方法(手順)
ウェットスーツを失敗なく手に入れる手順はこちら。
- サーフィンする時期、地域から、あなたに最適なウェットスーツを選ぶ。
- 身体に合ったサイズのブランド・商品を選ぶ。
- 購入 & 試着。(サイズが合わなかった際の対応)
具体的な手順とおすすめのウェットスーツの紹介をしていますので、こちらを見れば初心者でも簡単にあなたに最適で高品質のコスパの良いウェットスーツを探すことができるでしょう。
試着の注意点 & 購入したウェットスーツのサイズが合わなかった場合について
気に入ったウェットスーツが見つかり購入…商品が到着しました。
ここで、注意したいのが試着です。
ウェットスーツのサイズが合わなかったので返品をショップにお願いしたら、返品を断られた。。。なんてことにならないように。
近年のウェットスーツは非常に柔らかく伸縮性が高い素材が使われており、着心地、運動性が向上している反面、無理な着脱や爪の引っかき傷に対しては、デリケートになっており、切れやすく(傷つきやすく)なっています。特にセミドライなどに良く使われているスキン素材は、爪を立てて着脱した場合など、切れやすいので、初心者の方などウェットスーツの着脱に不慣れな方の試着で切れてしまうということは、珍しいことではありません。
試着後に引っかき傷に気づいた…もともと傷があった不良品だった!?
ウェットスーツのデリケートさを知らない初心者の方なら、「ただ、試着しただけだから、自分が付けたものではない」と思ってしまうのは理解できます。きっと私が、同じ立場ならそう思ってしまうでしょう。
しかし、実際このようなケースでは、残念ながら試着の際にあなたが、無理に引っ張ったり、爪などで付けてしまった傷と思って、ほぼ間違いないです。(メーカー、販売店であなたの元に届くまでしっかり検品されていますので、試着によるものがほとんどです。)
あなたの付けた傷であれば、返品不可です。
サーフショップでは製品の特性上、試着後にこのような傷があった場合、返品対応してもらえない可能性が高いと考えます。
商品が到着したら…
ウェットスーツはシワになりやすいので、届いたらなるべく早く開封して試着してください。
試着前に、引っかき傷などがないか、しっかりチェックしてください。
ファスナーに不具合がないかも一緒にチェックしておきましょう。
試着時に注意すること
- 試着しサイズが合うことを確認するまでは、サイズが合わなかった時の返品のことも考え、着脱の際は慌てず、細心の注意をはらい丁寧に行うこと。
- 着脱時には爪を立てないようにする。
- 強引に脱いだり、着たり、引っ張ったりしない。
- 着用時は下半身から順に履いて着用しますが、この際に、しっかり下半身を履いてからでないと、上半身がうまく着れなくなり、結果的に無理が生じ、破損や破れの原因となります。
- 着脱する際は、ファスナーは、下までしっかりと下げてから脱ぐ。中途半端な位置にして着脱すると、ファスナー破損などの不具合の原因となります。
- ファスナーを開閉途中でストレスを感じ、動きにくくなった場合、無理やり開閉せずに原因を調べてください。
- ノンジップ、チェストジップタイプ、ロングチェストジップ、ネックエントリーは開口部が大きく広がりますが、無理な着脱は破損の原因となります。
- 国産のセミドライではどのタイプでも、ほとんどのインナーネックが装備されております。脱ぐ際にはうっかりインナーネックを外すのを忘れて、脱ごうとする方もいますが、破損の原因になりますのでご注意ください。
※ 近年、傷の有無に関係なく、サイズが合わないための返品(商品不良によるものを除く)は不可となっているショップも少なくないので、購入前にチェックしておきたい。また返品は不可だが、在庫があればサイズ交換OKという場合もあります。